9月23日は「網膜の日」
〜光を感じる目の膜「網膜」の病気への理解を深める日〜
毎年9月23日は「網膜の日」です。この日は、網膜色素変性症をはじめ、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、網膜剥離など、さまざまな網膜の病気に対する理解を深め、病気と共に生きる人々を支える社会の実現を目指して、2017年に日本記念日協会によって認定されました。
認定授与式は、2017年9月30日(土)に公益社団法人日本網膜色素変性症協会が主催した「世界網膜の日in宮城」(会場:仙台市福祉プラザ)で行われ、以来、全国各地で「網膜の日」の普及啓発活動が展開されています。
◎なぜ9月23日が「網膜の日」なの?
9月23日は秋分の日、つまり昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。この日を境に夜が長くなり、暗い時間が増えていきます。
網膜の病気を抱える方々にとって、**「明るさ」は日常生活を送る上で非常に重要**です。夜が長くなると、安全に歩ける時間が短くなったり、仕事に支障が出たりすることもあります。網膜細胞が損傷している場合、明るい昼間の時間が長ければ長いほど、活動できる機会が増えるため、この「昼夜の長さが入れ替わる節目」である9月23日が「網膜の日」として定められました。
◎網膜の病気になると、私たちの「見え方」はどう変わる?
私たちの目の奥にある「網膜」は、光を感じ取り、その情報を脳に送る大切な役割を担っています。
網膜に異常が生じると、物が歪んで見えたり、視野の中心が黒く曇ったり、全体的にぼやけて見えたりする症状が現れます。また、暗い場所で見えにくくなったり、視野が狭くなったりするため、日常生活に大きな支障が出ることがあります。
しかし、これらの症状は外見からは分かりにくいため、周囲からの理解が得られにくく、「見えているのに見えないふりをしているのでは?」といった誤解や、心ない差別を受けるケースも少なくありません。
◎網膜の病気を抱える方々との共生のために
目の不自由な方が持つ白杖(はくじょう)は、全く目が見えない方だけが使うものではありません。
網膜の病気を抱える方の「見え方」や病気の進行度は人それぞれです。例えば、五円玉の穴ほどしか見えなかったり、物が歪んで見えたりする方もいれば、スマートフォンを見ることはできても、安全に歩くためには白杖が不可欠な方もいます。
こうした実情を知らない人からは、「見えるのに、なぜ白杖を使っているのだろう?」と誤解されてしまうことも少なくありません。
「網膜の日」をきっかけに、網膜の病気について正しく理解し、病気を抱える方々が安心して暮らせる社会を共に築いていくために、私たち一人ひとりが何ができるかを考えることが大切です。
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